株式会社マネーフォワードの戦略・強み・弱み・競合他社情報│企業研究記事

日本におけるFinTechスタートアップ の先駆者で、国内最大級の個人向け自動家計簿・資産管理サービス を提供する株式会社マネーフォワードに関して、戦略・強み・弱み・競合他社について就職活動の観点から企業研究しました。
下記３つのトピックに分けてご紹介します。

◆ TOPIC
• さらなる環境整備が進み、急拡大が予測される国内FinTech市場
• 「個人のための最良の金融機関を」という志から生まれたマネーフォワード
• ロボ・アドバイザーへの出資や海外展開も視野に

マネーフォワードの働き方／年収／選考対策情報はこちらの記事へ

金融（Finance）と技術（Technology）を組み合わせた造語「FinTech（フィンテック）」は、今までの金融機関では不可能だった分野において、IT技術を活用し提供する新しい金融サービス。 2015年度の国内FinTech市場規模は48億8,500万円程度となっていますが、今後もさらなる拡大成長が続くと見られており、2021年度には808億円まで拡大すると予想されています。

2015年度で際立ったのは「ソーシャルレンディング」と「クラウド型会計ソフト」が同市場を牽引したこと。ソーシャルレンディングでは、貸し手と借り手の利用者が急増、またクラウド型会計ソフトは会計事務所による取り扱い増加に加え、地方銀行との関係構築や銀行API（Application Programming Interface）との接続増加などが背景として挙げられています。

今後も銀行法の改正や改正資金決済法（仮想通貨法）の成立などの法改正や、銀行APIの公開など、更なる環境整備が進むと考えられており、FinTech市場の急激な伸びに貢献が期待されています。

このような市場環境の中で、「日本を代表するFinTech企業」と呼ばれているマネーフォワード。個人向けの自動家計簿・資産管理サービス『マネーフォワード』と、中小企業や個人事業主のバックオフィス機能を自動化するクラウドサービス『MFクラウドシリーズ』という2つのサービスを主軸に事業を展開しています。

『マネーフォワード』の利用者数は500万人を突破（2017年4月現在）し、日本最大のスマホ向け家計簿サービスとなっている点が強みとして挙げられます。また、同社による「家計簿アプリの利用」に関するインターネット調査（楽天リサーチ）では、「現在利用している家計簿アプリ」でシェア第１位を獲得。一方、『MFクラウドシリーズ』は約50万ユーザーが使用しているとのこと。

出典： 自動家計簿・資産管理サービス『マネーフォワード』、利用者数500万人突破～家計簿アプリ利用シェアもNo.1に～ | 株式会社マネーフォワード

同社の代表である辻氏は、ソニー、マネックス証券で働いてきた人物ですが、なぜ起業の道を選んだのか気になりますね。インタビューから同氏のコメントを見てみましょう。

“金融とITが一体化していくという流れを見据えて、マネーフォワードを創業されたのでしょうか？

そういうわけではなくて、「こういうサービスがあったらいいよね。世の中にないから自分たちで作ろう」と決意して始めただけなんです。パッションだけですよね。今から考えると、よくやったなぁと思います（笑）。
お金って、人生において大事なものですよね。離婚の理由や子供が持てない理由などのトップ3には必ず「お金」が入ってくるでしょう。それなのに、お金についてきちんと教育を受けたことはないし、教えてくれる良いサービスもない。「ツールに過ぎないはずのお金に人生を振り回される人が多い世の中って、いったいなんなんだろう？」と思ったんです。

一方で、テクノロジーで世の中は変わるという感覚もありました。Facebookもそうですし、Googleもそうです。だから、テクノロジーを使えばお金についての課題を解決できるのではないか、と思いました。 ”
（出典： 「お金の悩み」をすべて自動で解決するサービスを | THE21オンライン ）

――成功のために最も重要なのは「パッション」という辻氏ですが、様々な困難や壁を乗り越えてきた人から発せられるこの言葉の大切さを感じます。 テクノロジーでお金の悩みをなくせたら、人々の人生は大きく変わるでしょう。人々の人生を変えるほどのインパクトを持つ同社の挑戦、今後の展開が楽しみですね。
また、マネーフォワードの競合他社としては、freeeが挙げられます。

出典： 家計簿アプリ・家計簿ソフト「マネーフォワード」金融機関システムのプロがシステムを構築・運用。大手金融機関からも信頼を得ているマネーフォワードのアプリやソフト。

現状のサービスでは、使ったお金の把握を自動化するというところまで実現しており、将来的には、投資や保険、養育資金などに関する現状把握か�